マンションの大規模修繕の周期は12年が多い?12年周期の理由と実際の流れとは
2024.07.26 (Fri) 更新
マンションに長年住むと、1回は経験することのある大規模修繕。
その周期は、12年ごととされていることが多いですが、理由について知っている方はどのくらいいるのでしょうか。
そこで、今回の記事では、マンションの大規模修繕について、なぜ12年周期が多いのか、そして大規模修繕時の実際の流れをご紹介します。
Contents
□マンションの大規模修繕で12年周期が多いのはなぜ?
マンションの大規模修繕の周期が12年と言われる理由は、主に3つあります。
1:国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」
国土交通省が公開している「長期修繕計画作成ガイドライン」では、計画期間を30年以上とし、大規模修繕工事を2回以上含めることが推奨されています。
ただし、このガイドラインでは、12年周期での大規模修繕の実施を定める・推奨しているわけではありません。
2:特定建築物定期調査の全面打診調査の義務化
全面打診調査とは、外壁タイルやモルタルの表面を打診棒やテストハンマーなどの検査器具を用いて、タイルやモルタルの浮きの有無を調べる方法です。
平成20年4月1日に改正された建築基準法によって、竣工・外壁改修後10年を経た建築物は、10年を超えた最初の調査の際に全面打診等による調査を行うことが義務化されました。
3年以内に確実に外壁改修が行われる見込みである場合には全面打診調査の実施の猶予を受けられます。
3:塗膜の劣化を考慮している
マンションに使われる塗料の寿命はおよそ8年程度、長持ちして12年程度といわれています。
12年以上経過した塗料は、浮き・ひび割れ・結露などの劣化が目立つようになり、防水性能も低下するため、再塗装が必要になります。
□マンションの大規模修繕はどんな流れで行うのか?
ここでは、マンションの大規模修繕の流れを簡単に解説します。
1:修繕委員会の結成
修繕委員会を結成し、工事の準備を進めます。
修繕委員会の主な役割は、組合員の意見を集約し、適切な工事計画を立てること、工事をスムーズに進めることです。
2:建物調査診断の実施
適切な修繕計画を立てるために、工事前にはマンションの状態を把握する必要があります。
そのため、工事予定時期の1~2年前に、管理会社やコンサルタント・施工会社などに依頼し、共用部を中心に建物の調査診断を実施します。
3:修繕工事の設計
調査結果に基づいて、建物の劣化状態から施工を行う箇所や内容、範囲を決定します。
この際、積立金とのバランスを見ながら、施工内容を検討していくことが重要です。
4:工事の発注~完了
設計に基づいて、工事発注を行います。
発注した施工会社が、設計図書に基づいて工事を進めていきます。
工事が完了したら、検査を行い、問題なければ完了です。
□まとめ
今回ご紹介したように、マンションの大規模修繕の周期が12年といわれる背景には、国土交通省のガイドライン・特定建築物定期調査の義務化・塗料の寿命といった3つの理由があります。
大規模修繕は、マンションの価値を維持し、安全性を確保するために非常に重要な工事です。
当社では、倉庫・工場・マンション・アパートなどの建物診断や大規模修繕にも対応しております。
日立市周辺にお住まいの方で、マンションの大規模修繕について気になっている方がいましたら、お気軽にご相談ください。