マンション大規模修繕の進め方とは?スムーズな修繕を実現するためのポイントを解説
2025.09.17 (Wed) 更新
高層マンションの美しいシルエット。
その輝きを未来へ繋ぐためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特に、マンションにとって大きなイベントとなる大規模修繕工事は、数千万円から億単位の費用がかかり、数ヶ月にも及ぶ長期的な計画と実行が必要です。
適切な計画と実行なくしては、かえって建物の劣化を招き、居住者の生活にも悪影響を及ぼしかねません。
では、この大規模修繕工事、一体どのように進めていけば良いのでしょうか?
そこで、この記事では具体的な課題と解決策と共にご紹介します。
Contents
マンション大規模修繕の進め方
準備段階の重要ポイント
大規模修繕工事は、理事会主導で行われることが多いですが、専門的な知識を持つ委員で構成される「修繕委員会」を設置することも有効です。
委員会は工事内容の検討、調査への立ち会い、説明会の実施、工事中の進捗管理など、幅広い役割を担います。
過去に大規模修繕を経験した方や建築に詳しい方の参加は大きな力となります。
修繕委員会の設置は必須ではありません。
理事会の任期を長くしたり、半数交代制にするなど、管理組合の実情に合わせた柔軟な対応も可能です。
まずは、管理組合の体制を整備し、スムーズな意思決定を進めるための基盤を作りましょう。
計画段階における課題と解決策
準備段階で体制が整ったら、工事の発注方式を決定します。
主な方式には、「責任施工方式」「管理会社主導方式」「設計監理方式」があります。
責任施工方式は施工会社と一括契約し、管理会社を介さないため、意思決定が迅速に行えます。
管理会社主導方式は管理会社が中心となり、専門的な知識に乏しい管理組合にとって安心です。
設計監理方式は設計と施工を別契約にすることで、より専門性の高い管理を実現できます。
それぞれのメリット・デメリットをよく比較検討し、管理組合の状況に最適な方式を選びましょう。
次に、建物診断を実施し、建物の劣化状況を正確に把握します。
目視調査や機械調査を組み合わせ、補修の優先順位を明確にします。
この診断結果に基づき、工事内容と予算を決定します。
修繕積立金の不足が懸念される場合は、工事内容の見直し、一時金徴収、融資の検討など、複数の解決策を検討する必要があります。
長期修繕計画を参考に、将来的な積立金の状況も考慮しましょう。
施工段階での注意点と対策
施工会社選定は、見積もりを取り、比較検討することが重要です。
費用だけでなく、施工実績、経験、アフターサービスなども総合的に評価しましょう。
ヒアリングを行い、各社の提案内容を比較検討することで、最適な施工会社を選ぶことができます。
工事開始前に、組合員向けの工事説明会を開催し、工事内容、安全対策、日常生活への影響などを丁寧に説明しましょう。
工事中は、理事会・修繕委員会・監理者・施工会社間で定期的な打ち合わせを行い、進捗状況の確認や問題点の解決に努めます。
掲示板やチラシなどで居住者への情報発信をこまめに行い、理解と協力を得ることが重要です。
完了後の確認事項とアフターケア
工事が完了したら、竣工検査を行い、施工内容に不備がないかを確認します。
不具合があれば、速やかに修正してもらいましょう。
竣工後は、竣工図書を大切に保管し、将来の維持管理に役立てます。
施工会社とのアフターケアについても、契約内容をしっかり確認し、定期的な点検などを実施してもらいましょう。
成功のためのポイントをご紹介
管理組合の体制作り
大規模修繕工事は、管理組合の組織力と意思決定の質が成功を大きく左右します。
理事会や修繕委員会の役割分担を明確にし、情報共有を徹底しましょう。
定期的な会議を開催し、組合員の意見を積極的に取り入れ、透明性の高い運営を心がけることが重要です。
施工会社選定のポイント
施工会社は、価格だけでなく、技術力、信頼性、アフターサービスなどを総合的に判断して選びましょう。
過去の施工実績や、担当者の対応なども重要な判断材料となります。
見積もりを取り、比較検討し、納得できる会社を選びましょう。
予算管理と資金調達
大規模修繕工事は高額な費用がかかります。
修繕積立金だけでは不足する場合は、一時金徴収や融資などを検討する必要があります。
予算計画を綿密に立て、資金調達の方法を事前に検討しておきましょう。
リスク管理と対応策
工事中に予期せぬ問題が発生する可能性も考慮し、リスク管理計画を立てましょう。
例えば、天候不良による工期遅延、施工不良、近隣住民とのトラブルなど、さまざまなリスクを想定し、対応策を事前に準備しておきましょう。
まとめ
マンションの大規模修繕工事は、計画から完了まで、多くの課題と意思決定を伴います。
管理組合の体制づくり、発注方式の選択、施工会社選定、予算管理、そしてリスク管理など、各段階で適切な対応をすることで、成功に導くことができます。
本記事で紹介した内容を参考に、円滑な工事実施を目指しましょう。
将来を見据えた長期的な視点と、組合員との良好なコミュニケーションが、大規模修繕工事の成功に不可欠です。
そして、この工事は単なる修繕ではなく、マンションの価値を高め、未来への投資となるはずです。
当社では、施工実績2,500件以上の確かな実績と、国家資格保有者による高品質施工で地域の信頼を獲得しています。
シリコン・フッ素・無機塗料など豊富な塗装メニューに加え、倉庫・工場・マンション・アパートの大規模修繕にも対応。
自社足場による安全・迅速な工事体制と、最大12年の長期保証で、住宅から商業施設まで幅広くサポートします。